国民が納得しない幕引き
自民党の裏金問題で、自民党は4日、最も重い離党勧告から最も軽い戒告まで39人の処分を決定しました。
私は毎朝、市民の皆様の声を聞いて歩いておりますが、この処分については、全員が「とんでもない!」という怒りの声でした。
処分を受けた39人は今後、国税庁からの税務調査を受け、検察審査会によって起訴相当かどうかの判断を待つことになります。
検察審査会の判断が6月までに出ると言われており、税と司法の結論が出ることは決まっていますが、いま必要なのは「政治の結論」です。
岸田総理は、通常国会が会期末を迎える6月までに「衆議院解散」という決断をすることこそを、現時点での「政治の結論」として考えるべきです。
次の道を切り拓く決断
総理大臣の専権事項といわれる衆議院の「解散」は、「内閣支持率+政党支持率=50%を超えた時」に行われてきました。
直近の世論調査で、その数値は50%に満たないという厳しい環境ではありますが、ここで岸田総理が「国民の判断を受け、選挙によって禊を行い、自民党の新たな一歩を踏み出す」という決断をすれば、自民党は必ず、今後も政治の中核を担うことになるでしょう。
しかし、今国会中の解散を決断せず、9月の自民党総裁選挙前に辞任することを「禊」と考えるならば、自民党は今後、政権政党としての役割を完全に失いかねません。
「政治家は、厳しい方向に決断をしたとき、次の道が拓ける」という田中角栄元総理の言葉通り、今まさに岸田総理の決断が問われています。
政府と向き合うときの武器は民意
そしてもう一人、決断をしなければならない人がいます。
沖縄県の玉城デニー知事です。
辺野古移設の阻止を最優先の公約に掲げながら、司法闘争に負け、工事は進められ、公約の実現は不可能となった今、知事の職を辞さないのは、岸田総理が解散を先延ばしするのと同じ政治判断であります。
玉城知事は自らの公約を守るとしたならば、司法の判断を超える「民意」を武器に、政府と政治協議すべきです。
つまり、即刻辞任して知事選挙を行い、最高裁判決が出た後の沖縄の民意を改めて問うべきなのです。
私たちは昨年12月、「今こそ知事選挙を行って民意を示すべきだ」という主旨の署名活動を行い、3万2千人超の賛同をいただき、幾度となく面談を申し込みましたが、反応はありませんでした。
今、岸田総理と玉城知事は、同じ環境の中で政治を行っており、二人の政治決断が注目されているのです。
決断しよう!
政治家の決断は、国民・県民の生活と未来を守ることができるものでなければなりません。
保身という邪念があれば、国家も県も、一人の政治家のために不幸のどん底に陥ることになるでしょう。
それだけに、政治決断は難しく、だからこそ政治家なのであります。