<大企業の好循環>
過去最高の円安 → 輸出増 → 輸出企業の業績アップ → 4万円超えの株高 → 従業員給与アップ → 株主配当増額
<中小零細企業の悪循環>
過去最高の円安 → 原価高騰 → 業績停滞 → 株価は関係なし → 従業員給与上がらず → 株式配当検討されず
格差の拡大
大企業と中小零細企業で、経営環境に極端な違いが出いる中、日銀は今月19日、マイナス金利政策を解除し、利上げへと政策転換しました。
岸田総理や経済界は、インフレ率2%に向けた異次元の金融政策の役割が終わり、日本経済は完全に回復したという政治的アピールを行うこととなりました。
しかしながら、「金利の引き上げによって、円高となり、輸入価格が安くなることで物価高を抑える」という想定は、まったく的外れとなり、過去最高の円安という状況が続いています。
そこでまた、大企業は業績が上がり、株価が上がることによって、中小零細企業との格差は開くばかりであります。
加えて、マイナス金利の解除に伴って、ここ沖縄においても金融機関の利上げが始まり、企業経営における金利負担、住宅ローンにおける金利負担が、経営環境や家計に負荷をかけることになり、中小零細企業の経営環境は厳しさを増すばかりです。
金融政策の転換のタイミング
私は、日本経済が完全に回復したと断定するならば、日本企業の8割を占める中小零細企業の業績が向上し、大手並みにとは言いませんが、物価上昇を上回る賃上げを実現しなければならないと考えています。
それが実現して初めて、金融政策を転換し、金利を上げることができると考えるのは、政治家としての感覚からすれば当たり前だと思います。
日本経済を強くするために何が必要か
今朝、那覇市にある魚市場へ行きましたが、肌感覚でマグロ価格がキロ当たり500円程高くなっていました。
「海外からの輸入マグロが円安で高くなり、国内マグロを大手業者が買い漁って都心へ送るということが、相場を跳ね上げている。こんな小さな魚屋にまで、円安の影響が出ているんですよ」という話でした。
政治は、どこに視点を当てた経済政策を行うかを考えるべきです。
中小零細企業の好循環を創らずして、日本経済の足腰を強くできるはずがありません。
利上げをしても円安傾向に傾くのは、世界の人々が日本経済の回復を一時的なものだと見ているからではないでしょうか。
もっと足元を見た経済政策を行わなければ、中小零細企業や地方経済に元気が出るはずがないのです。