前代未聞の国会の混乱
私は衆議院議員に初当選させていただいてから28年目を迎えますが、今国会の状況を見ると、ロッキード事件や東京佐川急便政治献金事件に匹敵するほどの混乱ぶりと言えます。
報道によると、21日までに自民党の国会議員72人が裏金問題を受けて政治資金収支報告書を訂正しており、これはつまり、裏金を認めたということでありますから、これだけ多くの自民党国会議員が脱税の対象者になるということ自体、前代未聞であります。
またこれから、政治倫理審査会、予算委員会での証人喚問等が行われることになると思いますが、現在不起訴処分となっている多くの自民党裏金・脱税議員が、検察審査会によって「起訴相当」と議決され起訴される可能性は非常に高く、国会が益々混乱することは目に見えるだけに、政治に対して国民から厳しい目が向けられる状況は続いていくと思います。
国会議員の脱税を国民は絶対に許さない
今月16日から確定申告が始まりました。
確定申告をする国民から、「インボイスは始める。物価は高くなる。電気料金は上がる。医療費も上がる。水道料金も上がる。そんな中でも、国会議員だけは脱税が許され、課税もされない。これを取り締まらないあなた方が、私たちに対して納税の義務を果たせということ自体、おかしい」といった声が各税務署へ寄せられているという話も聞きました。
自民党国会議員の脱税問題を放置したまま、国税庁が税の公平・中立をいうことはできません。
法による結論だけではなく、税の観点からもしっかりとした結論を出していかないと、国民は納得しません。
政治の信頼回復には首相公選制しかない
ただ単に政治資金規正法の改正だけでは、この混乱を収め、政治の信頼回復を図ることはできません。
ロッキード事件、リクルート事件などを受け、金権政治を打破するために衆議院議員選挙に小選挙区制が導入されたように、私たちは今回の自民党裏金・脱税事件を契機として、日本の政治を変える結論を引っ張り出すことが重要なのです。
私が考える出口戦略は、3つあります。
一つ目は、「議院内閣制から首相公選制への転換」。
大統領が国民から直接選挙で選ばれるアメリカ等の国々のように、国民が政治のトップをダイレクトに選択できるようにすることで、真に国民を見つめた政治が誕生します。
二つ目は、首相公選制の実現により、「議員定数の大胆な削減」を行うこと。
三つ目には、議員定数の削減により、「議員の政治活動費用すべてを国からの交付金のみで行う」体制とし、政治資金パーティーや政治献金を廃止すること。
つまり、首相公選制の導入は、議員定数(衆参713議席)を350議席へと半減させ、政治とカネの完全透明化を実現することができます。
ここにこそ、今回の自民党裏金・脱税問題の出口があると考えています。
いま大事なことは、国民が納得できる結論を導き出すことであり、それは、下地幹郎が提案する3つの出口戦略からしか実現できません。