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地方統一選・国政補選を分析する

(2023年4月28日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)


2023年の統一地方選挙は、4月9日と4月23日の2回に分けて行われました。

9つの知事選、6つの政令指定市長選、道府県議選が41、政令指定市議選が17、一般市議選は294、東京区議選は21行われ、衆議院の補選が4つ、参議院の補選が1つ行われました。

さまざまなメディアが「維新の躍進」を見出しに掲げ、維新が一躍注目を集めることになりましたが、立憲民主党は、道府県議選「118⇒185当選」、政令指定市議選「99⇒112当選」、一般市議選および区議選「269⇒351当選」と、全てにおいて大躍進しており、国政選挙に目を向ければ、自民党が衆議院の千葉5区、山口2区、山口4区、それに参議院大分選挙区の4つにおいて勝利しています。

にもかかわらず、なぜマスコミが「維新初議席獲得」といった報道をするのかといえば、「10議席から5議席増やしました」よりも、「初議席獲得」のほうが大衆受けしやすく、インパクトがあるからです。

千葉5区の衆院補選では、野党からの候補者が乱立し、野党票がまとまらないなかにおいて、自民と立民の候補者は接戦を繰り広げており、大分の参院補選での自民と立民の与野党対決は、実に341票の僅差で自民党が辛くも勝利を収めました。

このように、数字や情勢を冷静に分析すれば、「維新の躍進」と単純に一括りにして言い切ることはできないのであり、維新が、次の衆院選で野党第1党となれるかどうかは、まだまだ予断を許しません。

岸田総理も、今回の選挙結果を踏まえて、早期解散すべきか、いまは待ちの姿勢で臨むか、判断を問われていることでしょう。

今回の地方統一選および衆参の補選において、私が最も指摘しておきたいことは、「投票率の悪さ」と「無投票当選の多さ」です。

統一地方選挙の後半戦として23日投票が行われた、市町村議員の選挙と、町村長選挙は、いずれも平均の投票率が前回を下回り、過去最低でした。

市長選挙と、東京の区長と区議会議員の選挙は前回を上回りましたが、引き続き50%を切る低水準となっています。

また、無投票当選については、41の道府県議選において無投票当選者は565人となり、総定数に占める割合は25%と、4人に1人が有権者の投票なしに当選する結果となりました。

地方議員は条例をつくり、国会議員は法律をつくり、国民はそれらの条例や法律に守られて日々の暮らしを営んでいます。

そのことを踏まえれば、「政治家は、有権者の1票でしっかりと選ばれる」という民主主義の根本である選挙が、無投票で決まってしまうようなことは本来あってはなりません。

投票率が50%を下回れば選挙をやり直すくらいの仕組みづくりが必要であり、それが出来なければ、政治の崩壊が始まってしまいます。

また、投票率を上げるためには、「被選挙権の年齢制限」についても見直すべきだと、私は考えます。

選挙権は満18歳から与えられますが、被選挙権は、公職選挙法上、衆議院議員・地方議会議員・市町村長は満25歳以上、参議院議員・都道府県知事は満30歳以上の者に与えられるというルールのままです。

同世代の若い人たちが「政治を変えたい」と思う時、被選挙権の年齢制限を変えることで、政治への参加意識が高まり、投票率の問題も改善するのではないでしょうか。

今回の地方統一選では、「投票率の悪さ」「無投票当選」「被選挙権の年齢制限」など、さまざまな課題が浮き彫りとなりました。

4年後に再び行われる地方統一選までに、選挙で選ばれた議員が、自信を持って政治の役割を担えるような体制づくりが必要です。

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