(2022年9月03日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)
“言霊(ことだま)”という意味は、簡単にいえば、言葉が持つとされる霊力のことです。
古代の人々は、自らが発する言葉が、発した通りの結果となって表れると信じていました。
そのことを理解するならば、私たちは“言霊”を大事にしていかねばなりません。
政治家にとって、公約は言霊です。
それだけに、政治家は、マイクの前で発言が、“言霊”を発しているのだと十分認識したなかで行うことが大事であります。
私自身も、これまで何度となく、“言霊”で苦労したことがあるだけに、いつでも公式な場での発言には慎重であるようにと心がけております。
8月30日に開催された沖縄タイムスの座談会では、クロス討論において2回まで再質問が認められるというルールが適用されました。
そのため、これまでの討論会とは違い、激しいやりとりが行われることになりました。
私は、玉城氏に対し、「玉城氏と故翁長雄志氏が一坪たりとも埋め立てさせないと言って埋め立てされた」と指摘すると、彼は、「一坪たりとも埋め立てさせないというのは翁長知事は確かにおっしゃったかもしれないが私は4年前の公約にもそのような発言はしていなかった」と発言しました。
その発言を受けて私は、「あなたは翁長さんを継いで知事になった。私は言ってませんとこの場所で言うこと自体、本末転倒だ」と返しました。
それを受けて彼は、国が知事の判断に異を唱える「裁定的関与」を持ち出してきましたが、裁判に負け続け、それでもなお裁判の話をする彼の態度に、「この人は本当に埋め立てを止める気があるのか」と県民が感じるのは当然です。
一方、佐喜眞氏は、「辺野古への新基地建設は推進すべきだ」との質問について、「△(=その他)」という回答を示しました。
政府与党の自民党が推薦する候補者が、なぜこのような曖昧な態度を表明するのか、有権者も理解に苦しむことと思います。
また、2030年までに普天間の返還を実現すると公約に掲げていますが、防衛省は、2019年12月の時点で、「飛行場整備を含めた事業完了までに12年の期間が必要である」と公表しており、佐喜眞氏の公約と大きく矛盾します。
玉城氏は、「一坪たりとも埋め立てさせないと私は言っていない」と発言し、4年前には“辺野古は埋め立てさせない”ことを一丁目一番地に掲げながら、今回の公約では優先順位が3番目になった。
佐喜眞氏は、普天間の辺野古移設に対してあいまいな態度を表明する一方で、普天間の返還を2030年までに実現すると公約に掲げているが、これは防衛省との公式見解と矛盾する。
候補者たちの批判をするつもりは毛頭ありませんが、もしもこの2人が閣僚入りして、大臣としてこのような矛盾だらけで無責任な答弁をしたとしたら、たちまち予算委員会は止まり、2日間は紛糾するでしょう。
玉城氏が、労働組合、オール沖縄の代表だとしても、佐喜眞氏が、経済界、自民党沖縄県連の代表だとしても、このような発言を繰り返すほどに、「ああ、この人の言葉に言霊は宿っていない」と、支持者に思われてしまうでしょう。
我々政治家は“言霊”をおろそかにしてはいけないのです。
(ご参考)沖縄タイムスの座談会の全文がネットで掲載されています。興味のある方はぜひお読みになってください。https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1017325
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