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「復帰50周年目の沖振法」

(2021年4月1日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)
3月31日参議院において改正沖振法が成立し、4月1日から新たに施行されました。

私は、20年前の第4次の沖振法では与党自民党の国会議員として携わり、10年前の第5次の沖振法では与党国民新党の幹事長として携わり、今回の第6次の沖振法では去年10月まで無所属の国会議員として原案作成に対する提案をしてまいりました。

沖振法を2回与党議員として関わり、無所属でも国会議員として様々な提案をしてきた政治家は全国会議員の中でも下地ミキオしかいません。

それだけに沖振法を10年に一度作成する過程を三度見てきたものとして、それに関わる政治家や官僚を始めとする人々が「どうしたら沖縄の明るい未来を創れるのか」という真剣な議論を建設的に行ってきた姿に、いつも県民の一人として感謝し、感動しておりました。

私が、これまで沖振法の第4・5・6次の改正を行うにあたり大事にしてきたことは、「沖縄県民に寄り添うこと」「10年間の検証を客観的に行うこと」「未来のために、新たな沖縄の魅力を引き出す新しい制度を加えること」この3つの考え方をコアにしながら、その後の10年間の沖縄の未来を沖振法でサポートしてきました。

第4次の時には、稲嶺知事の下で「国際物流特区」などの「特区」を数多く創設することで製造業をはじめ企業誘致を成功させ、雇用の拡大を図るということを沖振法の中で進めてまいりました。

第5次の時には「一括交付金制度を創設」「これまで国が作成してきた沖縄振興計画を沖縄県が作成することで、沖縄振興の主体的な役割を沖縄県に移すことを法制化」「琉球大学・専門学校・私学振興を沖振法等に書き込み、教育に関する項目を重点化」するなど、その時々の改正時において、沖縄の現状を検証し、未来を描き、県民に寄り添い、哲学を持って作成してきたのであります。

しかし、今回の第6次では、私が申し上げた3つの「寄り添う」「検証」「未来」を全く考えず、沖振法に対する哲学を持つこともなく、この大事な復帰50周年目の沖振法を作ってしまいました。

本当に心から残念でならないという思いと同時に、10年に一度作成する沖振法がこれでいいのかという怒りを覚えるものであります。

私は政治家として批判勢力ではなく、提案勢力と自らを位置づけて第6次の沖振法においても大胆な提案をしてきました。

しかしながら、今回の法律の内容はあまりにもひどすぎて、50年目で6回目の沖振法は、これまでの沖振法の中で最悪なものになったと思います。

私はこれに関わった国会議員や官僚や沖縄県知事は自らの決断に必ず後悔をすることになると思います。

今回の沖振法は全てが第5次の項目の延長で新しい未来を創る項目は何一つ加えられておりません。

「コロナ後の沖縄」「SDGs」「子どもの貧困」「新たな観光戦略」「離島振興」などの課題を新たな考え方の下に、新たな制度を作らなければいけないにも関わらず一つも作っていません。

全てが丸々延長という前代未聞のものになってしまったことは、本当に取り返しがつきません。

「この中途半端な沖振法を全会一致で成立させる野党は、沖縄を全く勉強していないことが明確になりました」「自らの提案が全て却下された沖縄県知事が怒らないのが、私は不思議で仕方ありません」「県経済界が新聞のコメントで10年間の延長のみを評価し、内容を精査しないというのはナンセンスであります。」

復帰50周年目は「沖縄振興予算は300億円削減」「沖振法は単純延長」で屈辱的なものになりました。

「これからは国におんぶに抱っこではダメ」「沖縄独自の経済戦略を創らなければならない」全ての沖縄県民がその思いに至った時に「真の沖縄振興予算と第6次の沖振法」になることでしょう。

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