(2021年12月10日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)
衆議院議員選挙には、候補者の名前を書く「小選挙区選挙」と、支持する政党の名前を書く「比例代表選挙」の二つが、同じ投票日に行われます。
今回は、沖縄県内の4つの小選挙区の選挙結果から、様々な分析をしてみたいと思います。
小選挙区選挙で、自民党の公認候補4人の得票数を合計すると294,455票、オール沖縄勢力候補4人の得票数を合計すると288,711票で、自民党の公認候補4人の合計が5,744票、オール沖縄を上回っています。
一方、比例代表選挙では、自民党・公明党の得票数を合計すると276,984票、オール沖縄(立憲民主党・共産党・社民党・国民民主党・れいわ新選組)の得票数を合計すると294,892票で、オール沖縄勢力が17,908票、自公勢力を上回っています。
つまり小選挙区選挙で候補者を選ぶ場合と、比例代表選挙で政党を選ぶ場合で、有権者の投票行動には、はっきりと違いが表れています。
この違いが何を意味しているのか、私たちは考えていかなければいけないと思います。
そして、NHKの当日出口調査のデータを基に分析すると、支持政党なしと答えた有権者は、一区~四区のすべてにおいて、その実に6割ほどがオール沖縄候補に投票していることも明らかになってきました。
具体的に、来年から行われる各種首長選挙に置き換えて考えてみます。
名護市長選挙に置き換えると、選挙区では自民党公認候補の島尻安伊子さんが14,920票、オール沖縄候補の屋良朝博さんが13,422票で、島尻安伊子さんが1,498票差で勝っていますが、比例では自公勢力13,139票、オール沖縄勢力12,514で、その票差は625票に縮まっています。
南城市長選挙に置き換えると、選挙区では自民党公認候補の西銘恒三郎さんが11,937票、オール沖縄候補の金城徹さんが9,507票、2,430票差で西銘恒三郎さんが勝っていますが、比例では自公勢力9,874票、オール沖縄勢力9,803票で、その票差は71票にまで縮まっています。
石垣市長選挙に置き換えると、選挙区では自民党公認候補の西銘恒三郎さんが11,041票、オール沖縄候補の金城徹さんが9,405票、1,636票差で西銘恒三郎さんが勝っていますが、比例では自公勢力9,943票、オール沖縄勢力8,990票で、その票差は953票にまで縮まっています。
沖縄市長選挙に置き換えると、選挙区では自民党公認候補の島尻安伊子さんが28,940票、オール沖縄候補の屋良朝博さんが28,869票、71票差で島尻安伊子さんが勝っていますが、比例では自公勢力25,396票、オール沖縄勢力26,701票で、オール沖縄勢力に1,305票差で逆転されています。
つまり一区~四区まで、自公対オール沖縄は2対2というような評価がありますが、私が前述したように、この選挙結果を分析すると、なかなか面白いものが見え隠れしているのではないかと思っています。
一区・二区・三区・四区のすべてを深掘りして見れば見るほど、オール沖縄というものが決して侮れない勢力だということは間違いありません。
それと同時に一区から四区まで、支持政党なし層の6割程がオール沖縄候補に投票しているということからしても、あらゆる選挙において辺野古移設問題がのしかかっているという姿は決して打ち消すことはできません。