(2021年5月28日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)
第204回通常国会は6月16日で閉会の予定でありますが、閉会日が“近づけば近づくほど”、永田町は“政局の匂い”が強くなるものです。
特に今年は、10月までに必ず第49回衆議院議員選挙が行われることもあり、通常国会閉会までの残り19日間は、与野党がさらに激しい戦いを繰り広げることが予想されます。
本日のメルマガでは、様々な政治課題に対する菅総理のジャッジについて、下地ミキオの考えを書かせてもらいます。
1つ目は「緊急事態宣言の6月20日までの再々延長」というジャッジです。
当初は4月25日から「5月11日」まで、次に「5月31日」まで、そして今回「6月20日」までと、菅総理は延長を重ねるというジャッジを行いました。
これによって、菅総理のコロナ対策における“先を読む力”が問われ、菅内閣支持率に大きな影響を与えました。
2つ目は「東京オリンピック・パラリンピック開催・延期・中止」についてですが、菅総理は6月中旬までにジャッジしなければなりません。
アメリカ政府の揺さぶりともとれる「日本への渡航中止勧告」が、今もなお大きな波紋を広げるなか、このジャッジは菅内閣の命運を決めることになるでしょう。
3つ目には、菅総理は「通常国会を延長し、大型の補正予算を組む」というジャッジを下すだろう思っています。
なぜかといえば、緊急事態宣言が6月20日まで再々延長されたなかで、6月16日の閉会は考えにくいことと、コロナ対策における「生活・経済支援」を大胆に行わなければならないだけに、必然的に通常国会の延長は想定範囲内となるからです。
しかし、「東京オリンピック・パラリンピックの開催・延期・中止」のジャッジが行われた後の通常国会延長となるだけに、菅内閣の支持率に目配せしながら、野党が「内閣不信任案」を提出する可能性も出てきます。
自民党の二階幹事長は「野党の内閣不信任案には受けて立つ」との発言をこれまで繰り返しているだけに、菅総理のジャッジは難しいものになるでしょう。
4つ目には「7月4日投開票の東京都議会議員選挙」ですが、「菅内閣=自民党」が選ばれるのか、それとも「小池百合子=都民ファースト」か、都民のジャッジが大きな政局となることは間違いありません。
5つ目は「7月31日までに高齢者へのワクチン接種を完遂する」という国民との約束を守れるかどうか、これが菅内閣の命運をジャッジすることになります。
菅総理は「1にワクチン、2にワクチン、3にワクチン」と言われるほど、国民へのワクチン接種完遂に全力を注いでおります。
つまり、この国民とのワクチン接種完遂の約束を守れなければ、菅内閣が崩壊するといっても過言ではありません。
しかし一方で、総理本人が「7月31日まで」と期日を国民に明確にしたことは、ある意味、逆転ホームランを打つ可能性も秘めております。
全国の14.4%にあたる251自治体が「高齢者ワクチン接種完了は7月末までに“間に合わない”」と表明しているなか、菅総理の手腕が問われます。
これらの問題は、一つひとつが厳しく険しい山道でありますが、これらを乗り越えれば菅総裁再選という頂に到達することは間違いないでしょう。
私は、この5つの政局的決断を注意深く「ウォッチ」しながら、自民党への復党への道をまっしぐらに走ってまいります。