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「読書から自らの政治を深化する」

(2021年5月7日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)

月初めのメルマガでは、私の先月の読書について書かせていただいております。

4月に読了したのは、バラク・オバマ著『約束の地 大統領回想録1(上・下)』、ステファニー・ケルトン著『財政赤字の神話:MMTと国民のための経済の誕生』、早川友久著『オードリー・タン 日本人のためのデジタル未来学』であります。

『約束の地 大統領回想録1(上・下)』では、印象深いことが2つありました。

1つは、オバマ大統領がミシェル夫人をいかに大事にしているかということです。

彼は政治家である前に、夫であり父親であることを選択し、そのことを非常に大事にしながら政治活動をしてきたことがわかります。

2つ目には、回想録は上下巻あわせて1000ページを超える大著でありますが、日本に関する記述は1ページにも満たなかったことです。

これには本当にびっくりしました。

「広島で原爆資料館を訪問し、折り鶴を手向け、被爆者と心を通わせたこと」「東日本大震災における米国の対応の背景」「日本の総理大臣の真珠湾訪問」など、さまざまな日米案件が語られていると思っていただけに、日本との外交に対するオバマ大統領の想いとは何だったのだろうかと、つくづく考えさせられる本でした。

『財政赤字の神話:MMTと国民のための経済の誕生』では、「財政赤字は、危機を脱する唯一の道だ」という考え方の下に、主権通貨(円)の「発行者」である日本政府は積極的に財政出動を行うべきであり、そのことで資金が枯渇するということなどありえないといった論調で話が進みます。

また、「国家の財政は、家計や民間企業とは全く違うという考え方を持たなければならず、支出と収入だけで物事を判断してはいけない」と著者は言います。

つまり、「主権通貨を発行できるという最大の特権を活用して、税を集めるのではなく、財政出動によって弱い立場の人々を救う。

これこそが経済活性化の道なのだ」という考え方なのであります。

この本を読んでいると、私の考え方とは余りにも真逆過ぎるだけに、頭のなかが混乱することが多々ありました。

『オードリー・タン 日本人のためのデジタル未来学』は、台湾デジタル担当政務委員大臣を務めるオードリー・タン氏の20時間にわたるインタビューを1冊の本にまとめたものです。

オードリー氏が天才であることは間違いありませんが、それ以上に、「人の個性を活かすためには、型にはめるべきではない」という、自らの生き方を行政のなかにも反映させながら進めていることに、大変驚かされました。

また彼は、「物事の判断を変えていく勇気を持たなければならない」とも述べています。

これは、「間違いがあればすぐに変えることを恐れてはならない」ということです。

この本を読ませていただくと、日本という社会がいかに四角四面になっているかを改めて感じさせられると同時に、下地ミキオもまた、この型にはまった政治のなかでがんじがらめにされているのではないかと、自分の政治姿勢を見直すことにもなりました。

4月は4冊を読ませていただきました。

本を読めば読むほど、自分のスケールの小ささに気づかされることが多く、オードリー氏が述べていた「違う考え方を採り入れることが、成長する大きな要因だ」という言葉は、身に沁みました。

政治は、多くの「声」と「想い」に寄り添わなければならないだけに、「人と会う」「本を読む」という行動を通して、さまざまな刺激を受けながら、政策をつくってまいります。

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