今回の新潟の旅は、私にとっては政治の原点を見たような思いであります。
中村十作、新潟県出身。
1892年(明治25年)に、25歳で真珠養殖を夢見て宮古・石垣を訪問し、その島々で起こっていた悪税の数々を見て、「このままではいけない」と立ち上がり、島の人々のために悪税「人頭税」をなくす運動を起こし、1893年(明治26年)に上京して明治政府に直談判し、1903年(明治36年)、ついに260年以上続いた人頭税を廃止することを実現しました。
当時の士族たちは、干ばつや洪水や台風など様々な自然災害があっても、人頭税によって税を集め、祖のために多くの人々が苦しみ、体を壊し、自らの体を傷つけて税を納めないようにしたり、作物で納められない女性の方は自らの身をもって納めたりと、壮絶な苦労がありました。
それを何とかしなければいけないということで、士族の目を盗み、4人の仲間と共に上京し、明治政府を動かしたのです。
政治の原点がそこにある。
弱い人たちのために何ができるのかを考え、行動する。
そのことを改めて考えさせられた旅でした。
〔ビデオ〕沖縄宮古民謡協会の新旧会長が、中村十作の生家と墓前で、追悼の演奏をしました。